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遠藤郁子さんのノクターンにのせて
遠藤郁子さん。

乳がんを克服して、地獄のどん底からから這い上がり、
強靭な精神力と並々ならぬ努力で見事に復活を遂げたピアニスト。

順風満帆に名声を得たピアニストとは一線を画すキャリアを持ち、
それによって生み出される音楽は、聴く人の心を打つ。

ショパン国際コンクールの審査員として、
または、松本サリン事件で被害に遇われた河野さんの奥さま澄子さんのために、
病室にピアノを持ち込み演奏されたことが一般の人にも知られていると思う。
クラシックファンなら、「和製ショパン」としてもおなじみだろう。

20080601.jpg
6月1日 札幌全日空ホテルで

6月の演奏会、札幌全日空ホテルでベートーヴェンのピアノソナタ悲愴の2楽章を奏でられた。

あまりにも有名なこの曲。
私は今まで多くのピアニストの悲愴を聞いてきたが、これほど新鮮に心に響いてきた演奏はなかった。
自ら死の淵を歩き、そこからは戻って来たとしても、病魔の性質として、ピアニストとしての再起は絶望的だったはず。
この時の演奏は絶望と悲愴のなかで、一筋の希望の光が遠くに見えたり、また消えたりしている。

地獄を歩いてきた遠藤郁子さんが持つ強さが表現した、優しくスピリチュアルな調べであった。


・ ・ ♫ ・ ・


8月24日(日)札幌にある遠藤道子記念音楽館において、
NPOまずるか北海道のチャリティーコンサートが開かれた。

永年にわたり、札幌のピアノ文化に多大な貢献をされた遠藤道子さんの90歳のお誕生日の記念でもあった。
道子さんは遠藤郁子さんのお母様である。

道子さんの演奏は、ミスタッチこそあるが、
90歳の演奏とは信じられないほどの艶とタッチが健在であった。

20080824pf.jpg
世界のピアノの王様、「神々の楽器」とも言われる「STEINWAY」である。
その透明感のある響きはジャズやクラシックの定番である。



20080824.jpg



郁子さんのご好意で、会場にオーロラが数点展示された。

この日はショパンのノクターン(夜想曲)をたっぷり聴く事が出来た。
何といっても、ショパン弾き遠藤郁子さんの十八番である。

私も高校生の時から深夜の定番としてノクターンを聴き込んできた。
夜中に聞くと実に気持ちのいい音楽なのである。

私流の感想だが、
ノクターンの演奏は、譜面には記されていない特有のテンポの揺れ、
特に右手と左手のタイミングの微妙なズレをどう出すかによって、雲泥の差が生じる曲である。
要するに、左右がジャストテンポではなく、それぞれ「独立」した複雑なタイム感(流れ方)をつくる。
たとえて言うと、左手のリズムが軽やかになったり、もったりとブレーキをかけたり、
そのリズムに右手のメロディーが先に行ったり遅れたりする、夜の気まぐれさが楽しい曲である。

「超」がつく一流の演奏は、この辺が神がかるのである。
そしてそのあたりが「気持ちのいい、真夜中の歌い方」として心に響いてくるのだ。

合計で1時間半ほどの演奏があったと思う。
演奏中、ほとんど目をつぶっている。
もちろん譜面などあるわけがない。
魂が指を通じてピアノに入り込み、完全に一体化している。
演奏の場面によって、まるでショパンが憑依したように顔の表情が激しく変わる。
そこにいる誰もが、その世界に引きずり込まれただろう。

なんと贅沢な時間を過ごせたか。

この音楽館の壁に掛けられた5点の私の作品も、至高のノクターンに舞った。
やさしい夜想曲に合わせるように。


 ♪ ♬

この模様は9月21日(日)午前10:55~11:25 STVテレビ「D・アンビシャス」で放映されます。
ぜひご覧ください。
私がカメラで撮影している場面も見られるでしょう。
(私はアラスカにいて見られませんが)
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コメント
この記事へのコメント
お初です。
カキコミさせていただきます。
オーロラファンの皆さま、先日は富良野で楽しく演奏させていただきました。ありがとうございました。


郁子先生またまた素晴らしかったですね!
飾られたオーロラの写真もマッチしてましたよ。
どんな写真を撮られていたか&私がどれだけ映り、どれだけカットされてるか楽しみです(苦笑)
2008/08/26(火) 01:22:18 | URL | kayo #-[ 編集]
富良野で3ステージ即興演奏された金野さんは・・・
このまずるか北海道の関係者でした。
遠藤郁子さん、そしてお母様の道子さんのお二人に猛訓練を受けたピアニストでした。

この模様は北海道ではテレビ放映されますので、ぜひご覧くださいね。
2008/08/26(火) 10:56:50 | URL | なかがき #-[ 編集]
遠藤郁子さんは私も大好きなピアニストです。
出来るだけコンサートに行き、本も読ませて頂きました。
地獄を歩いた方だから、あのような心にしみいる演奏が
できるのですね。
亡くなった河野澄子さんをはじめ、色んな方々の
心に呼びかける演奏…ステキですね。
2008/08/26(火) 14:39:45 | URL | Tomo #-[ 編集]
YAMAHAではありがとうございました!
私も厳冬期の北極圏で地獄を経験した(つもり)ことがありますが、実はそのことがパワーになるんですよね。
特に地獄の後の天国は爆発します!(意味わかりませんよね?)

遠藤郁子さんの経験された地獄は、おそらく精神的にどん底を経験されていると思いますが、
そこから這い上がってきた経験を、演奏に対して非常に高い時限で反映しているのでしょう。

経験している人の演奏には説得力があるんです。

うまく言えませんが、それがとっても美しいんですよね。
2008/08/27(水) 23:16:09 | URL | なかがき #-[ 編集]
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