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取材10日目 3月13日(月)思いがけず、北極海へ向かうことに!
さて今日は燃料を補給しなくてはならないが、いつもよりかなり北方へ来ている。
いつものColdfootまでは相当遠くなっていて、峠を越えて3時間くらいかかるだろう。

それにしてもガソリンを入れるために3時間走るというのは、慣れはしたが非常に効率の悪い話である。
しかも、おそらくアメリカでもっとも高いガソリンである。

・・・とあれこれ考えている時にひらめいた。確か別な給油ポイントがあったはずだ。
ダルトンハイウェイの終着、北極海のDeadhorseである。
(厳密には数キロ先に石油基地であるPrudhoe Bayが北極海に面している。ただし一般車両は入れないらしい)
給油のために北へ行くも、南へ行くも距離的には同じくらいのようだった。

しかしこの厳冬期に北極海まで進むのはかなり勇気が必用だった。しかも車の調子に不安があり、
自分にとっては未知の道である。

地図とにらめっこをして悩んだ末に、もしかしたら食料が調達出来るかも知れないことと、
一度北緯70度へ行ってみたいという気持ちが優位になった。

ブルックス山脈を北方へ抜けてしまうと、森林どころか、背の高い木を見ることが出来ない。

Deadhorse5.jpg

どこまで進んでも、どこを見渡しても何もない大雪原、と言うか大海原と言った感じである。
海のような広大な世界に一本道があり、先へ進んでもほとんど景色が変らない。
変るといえば天候や風だが、道中、非常に強い風が吹きっぱなしである。 風を遮るものが何もないのだ。

場所によって車が横転しそうなくらいの強風が吹き、極度の緊張を強いられる。
また地吹雪で道が見えなくなる状態も多く、サイドに立てられたポールのみで運転を続けなくてはならないのだ。

途中、強風が怖くなって車を停めた。やはり引き返した方がいいかな?と考え直した。
が、考えてみればすでに戻る燃料も無くなっている。
もう、何が何でもDeadhorseで給油しなければならないのだ。

ところでこの季節にガソリンスタンドはオープンしているのだろうか・・・?
だんだん心細くなる。

・・・無事にフェアバンクスまで戻れたら、その時はうれしいだろうな~

Deadhorse4.jpg
   この状態はまだかなり良い方である。車外に出て写真を撮っているのだから・・・ジッツオの三脚を車外に持ち出した瞬間、空を飛んだ!自分も車につかまっていないと飛ばされそうになる、そして元に戻れないようなくらい強風が吹き続けている。

地吹雪地帯を2時間ほど走り、そのあとは景色が見えてきた。
そして北緯70度にして、久々に町らしい町を見た。Deadhorseである。
昔、この地に馬でたどり着いたが、この地で息絶えたのであろう。
まさに最果ての地である。
が、意外にもこの町は大きな町であった。この先の石油基地に付随したいろんな施設があるようだ。
面白いことに建物はたくさん存在するのだが、外を歩いている人はほとんどいないのである。

DeadhorseView.jpg


Please,show me the way. Where is gas station?
と切り出すまで、よくわからない街中をぐるぐる回って人を探し、1時間ほども費やしてからやっと走っている車を停めて訪ねた。
この町に一ヶ所だけスタンドがあるようだったが、行ってみると??である。
ポンプはあるが、どうやってガソリンを入れたら良いのか?よくわからないのである。

アメリカではクレジットカードによる決済が普通で、野外にポンプとともに精算機があるのだが、見当たらないのである。
もしかしてと思い、ポンプがついている小屋のドアを開けてみると、その中に精算機が備えてあった。
私のAMEXカードを差し込むとエラーである・・・まずい。
ここまで来てガソリンが補給できなければ完全にアウトである。

Deadhorse.jpg


焦って外へ飛び出し、思わず近くにあるそれらしき建物のドアをたたいて、人を探した。
反応がないのでドアを開けてみると、さらに奥の方にまた頑丈なドアがある。かなりの防寒である。
は~、なるほど、これでは聞こえないな。
奥は事務所のようで、人がいた。
I want gasoline!!
と言うと、そっけなく「大丈夫だよ」みたいな顔をして、おもむろに、まるで消防服のような防寒着をまとい、
重厚なドアを2枚押しよけ、私を再び天然冷凍庫に連れ出した。
救われた~。

結局AMEXカードは使用できなかったが、現金で対応してくれた。
おそらくアメリカで一番高いガソリン、それでもリッターあたり100円くらいの計算。
なので日本よりは安い計算になる。
ちなみにフェアバンクスで60円弱。(日本のおよそ半額)

さて、あとは大事な食料を探し求めた。
が、街中をめぐってもまったくそれらしき店は見当たらず、そのうち太陽が沈みそうになってきた。
あ~、シャッターチャンスを逃しては・・・と思い、食料供給は断念、
大雪原に沈む太陽を収めようと車を走らせた。

Deadhorse3.jpg
       次の給油所であるColdfootまでおよそ400km、フェアバンクスまでなんと800km程もあるのだ
無事にフェアバンクスにたどり着けるか・・・気が遠くなる

見事なサンセットであった。
しかも北緯70度の大雪原に沈む太陽は感慨深かった。

Deadhorse-sunset.jpg


Mar.13-Deadhorse.jpg
     こんな季節にこんな世界に来ることはもうないだろう。そう思うと記念写真を撮りたくなった。

帰り道、すっかり暗くなり、横殴りの地吹雪地獄。
真っ白で道がまったく見えず、気が狂ったような強風、車が横転する恐怖がよぎる。
恐ろしくて他のことを考える事が出来ず、車にトラブルが起こらないよう祈るように運転し続けた。
・・・・・・・・
慎重に道端のポールだけを見ながら2時間走り抜ける。
来る時と同じ一帯が強風のようだった。

Deadhorseからしばらく南下してブルックス山脈が近くなってから、地吹雪から脱出した。
まるで地獄から抜け出たよう、満月が煌々と大雪原を照らし、今までとまったく違う世界が広がった。

急に気持ちが大きくなり、何か撮影対象がないかと月夜のドライブは仕事モードに入る。
現金な人間である。
「でも、これだけ明るいとオーロラは絵にならないな・・・」

外はマイナス40℃(マイナスα=観測不能)、この状態で「そよ風」程度でも殺人的な環境であることには変わりない。
と、再び弱気になる。

「今夜はオーロラは現れなくても良いよ。満月過ぎてからまた来てね!」
とお願いをした。

その夜は挨拶程度のオーロラが来る。が、もう戦意喪失。
せめて車中から記録しようか・・・

Deadhorse7.jpg


気がつくと、運転席でまた朝を迎えてしまった。
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コメント
この記事へのコメント
鼓動が早く
中垣さん こんにちは ご無沙汰しております。
アラスカへ写真を撮りに行かれていたようで、ダルトンハイウェーを走っていたのですね。
いやぁ~、なんだか文章を読んでいるだけで、ドキドキと鼓動が早くなってきました。冬の北極圏へ入り込むなんて・・・・・ 考えただけでも怖い物があります。
ブリザードと寒さ、ガソリン切れの恐怖・・・・恐ろし・・・・
写真は中垣さんらしい、すばらしい写真が撮れたようですね。また機械がありましたら、展示会などで拝見したいと思います。 
2006/04/06(木) 21:20:39 | URL | 櫛田篤司 #sSHoJftA[ 編集]
すご~い
すご~い!の一言に尽きますね。
はんぱじゃない寒さで未知の世界への挑戦。
それの繰り返しでいい写真もとれるんですね~
2006/04/24(月) 23:44:08 | URL | Mai #-[ 編集]
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