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取材4日目 3月7日(火) いよいよブルックス山脈へ突入
今日はいよいよ本題のブルックスに突入することにした。
再び燃料を満タンにして北へ向かう。Coldfootから1時間30分でブルックス山脈の峠のAtigan Pass(1463m)を迎える。

Mar.7-2.jpg


撮影ポイントは峠を越えた北斜面(North Slope)の方に広範囲に存在する。
ひと晩に撮影場所を移動し100~200km動くこともしばしばである。

この北斜面でカリブーを撮影したり、マイナス35℃、ダイヤモンドダストが舞う中で食事を作ったりと忙しい。

晴れているのだが、常に空気中にキラキラとダイヤモンドダストが舞っていて、しばらくするとそれが積もるほどで、不思議な天候が続く。
もしかするとサンドック現象(幻日)がみられるかも!?と、太陽が見える場所を探して北斜面を爆走する。

サンドック現象とは、本物の太陽を中心に、左右に別の太陽が見えるような不思議な現象である。厳冬期にいつもみられるわけではなく、太陽光が空気中に氷の結晶に屈折し、一定の条件がそろわないとみられないのだ。

ちょうど日が落ちる直前だった。とにかく寒いのだが、2年前にイエローナイフで1枚の写真を見てから追いかけていた。自分の写真集に何としても添えたかったのだ。しかし、その時は本物を体験する機会に恵まれなかった。

夕日が当たる場所で車を停める。今まで空想でしか思い描いていなかったものが今目の前にあった。ただし、太陽の右にしか見えない。左側には山があったからだ。それでも十分なインパクトがあった。

はやる気持ちを抑えて、完全防寒体勢に整え、三脚をかついで、ひざまでズボズボと埋まりながらも石油パイプラインをくぐり抜け撮影場所を探す。

夢中で撮影するも、痛いような寒さで手が動かなくなっていた。ファインダーから目を離し、ふとその光景をあらためて見直した。なんとそこには太陽の左右両方に完璧な形でサンドックができ上がっているではないか!
目の前の光景は他の誰でもない、誰かが自分のために与えてくれたような、実に神々しい出来事で、しばらく放心状態になった。

この時の写真はこれから予定されている私の写真展で完璧な状態で披露したいので、このblogでは公開できないが、太陽が沈んだあとのサンピラー現象(太陽柱)が下の写真である。

20060320150813.jpg


手の指が数本温めてもあまり動かず、痛くなってきた。まずい、凍傷になってしまったかな。

その夜は峠付近で、晴れてはいるがダイヤモンドダストが降り注ぐなかでオーロラを待つ。

夜半、北東の空からぼんやりとその姿を現した。

Atigan_pass.jpg

峠付近から北斜面を見下ろす

だんだん自分の天頂付近までやって来て、月明かりがまぶしい中、天空のカンバスに気まぐれにその姿を変貌させている。

Atigan-fisheye.jpg


魚眼レンズを上に向けるとダイヤモンドダストが積もるほどであったが、まめに雪を払いのけての慌ただしい撮影になった。

この場所はなんて神聖な場所だろう。

今日はこの地に存在すること自体が心地よかった。

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